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歯の神経を守る新しい歯科材料「MTA」
重度のむし歯治療で歯の神経が露出したり、歯に穴が開いたりした部分を保護するセメントとして、近年日本でも使用されるようになったMTA。 抗菌作用や生体親和性の高さなど、従来のものよりも大変優れているのが特徴です。
こちらでは熊本市南区田迎の歯医者「けやき通り歯科・矯正歯科」が、MTAについて、そのメリットや治療法、症例などをくわしく紹介します。
MTAとは
MTA(Mineral trioxide aggregate)とは、1990 年台初頭に米国で開発された歯内治療用材料です。諸外国では 1998年以降、さまざまな臨床応用が認められています。
神経を失うことは歯に栄養を送る血管を失うことでもあるため、歯の寿命は短くなってしまいます。しかしMTAの臨床応用が進むことにより、従来の治療法では神経を残せなかった多くの歯でも、神経を助けられるようになってきました。
最近の論文では、直接覆髄ケースで、74症例うち70症例が成功しているという報告があります。これまで神経を守る(覆髄)薬のゴールドスタンダードとしては、水酸化カルシウム(製剤)が使用されてきました。MTAは、これに代わる生体機能性材料として注目されています。
ほかに、逆根管充填、穿孔(せんこう)封鎖、アペキシフィケーションなどさまざまな用途に臨床応用されるとともに、良好な封鎖穿孔性、抗菌性、生体適合性、硬組織誘導能を有することが報告されています。MTAのメリット
MERIT 01
乾燥すると中性化し、体に悪影響を与えません。生体親和性も高い体に安全な材料です。MERIT 02
強アルカリ(pH: 12.5)であり、歯根の先の細菌に対する殺菌効果も期待できます。MERIT 03
良質な保護層ができるため、歯に穴が開いたり、歯根の先が大きく開いたりした場合などに有効です。保護層は、水酸化カルシウムよりも良質であることがわかっています。MERIT 04
水酸化カルシウムと異なり、MTA自体が歯と接着する性質を持ちます。水分があっても接着するため、細菌の侵入を防ぐ効果もあります。MTAはどんな治療に使われる?
ほとんどの細菌がpH9.5で破壊されるといわれる中、強アルカリであるMTAは、pH12.5という高い殺菌力を有しています。また組織を刺激することにより硬組織を形成する作用もあるため、おもに以下の治療に使用します。
直接履髄(りずい)法 | 歯の神経が露出した際に保護する治療 |
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関節履髄法 | 露出はしていないものの、神経にかなり近い部分までむし歯が進行している場合に、神経の保護・鎮静を目的として行う治療 |
パーフォレーションリペア | 歯(根管とは異なる部分)に穴が開く「パーフォレーション」を修復する治療 |
これまで、出血や組織液などで濡れている部分にしっかりと接着できるセメントはなかったため、水分があっても接着できるMTAは根管治療にも大変適している材料だといえます。従来根管充填材として使用されてきた「ガッタパーチャ」よりも封鎖性が高く、生体親和性にも優れているなど、多くのメリットを持っています。
そのためMTAは、アメリカをはじめ海外ではごく一般的に使用されていますが、残念ながら日本の厚生労働省では、保険治療での使用を認めていないのが現状です。そのため、MTAを用いる根管治療は自費診療となります。症例紹介
副作用について
副作用はとくにありませんが、ある文献で、歯の生活力(年齢)により神経が残る可能性が異なることが示唆されています。それでも神経に達するむし歯は、多くの場合従来なら神経を取らざると得なかったことを考えると、とても素晴らしい材料だと思います。自費(保険外)治療料金
家族で通える歯医者さん
熊本市南区田迎の歯医者「けやき通り歯科・矯正歯科」