精密根管治療(自費治療)
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再治療を防ぐ精密根管治療Precision root canal treatment
重度のむし歯は、従来抜歯するしかありませんでした。しかし近年では根管(こんかん)治療を行うことで、抜歯を回避することができます。
しかし、根管は大変細かく複雑な構造になっているため、処置が大変難しく、再発して再治療となってしまうケースも少なくありません。
熊本市南区田迎の歯医者「けやき通り歯科・矯正歯科」では再治療を防ぐために、精密根管治療に取り組んでいます。
重度のむし歯でお悩みの方は、どうぞ当院にお任せください。
マイクロスコープ(顕微鏡)による精密根管治療
近年、日本人の歯の健康は徐々に上がってきてはいますが、西日本新聞において2018年8月の記事で取り上げられたように、残念ながら先進国の中で歯の健康度は高いとはいえません。
▼西日本新聞記事
80歳で残る歯 日本→12本、米国→19本 保険適用外、進まぬ予防歯科専門医の新たな取り組み
原因として考えられているものは2つあります。
【1】大人の方で、小さい頃から予防処置を受けてこられた方が日本ではまだまだ少ないこと。痛みがなくても、何ともなくても定期的に歯科医院でクリーニングや歯石取りなどの処置を受けたり、その時期ごとに必要な歯の健康維持についての知識を学んだりする習慣のある方が、欧米に比べて少ないこと。。
アメリカで7割、スウェーデン・フィンランドでは8割の国民が、定期的な予防処置を受けているといわれています。現在、日本人全体では3割ほどなのではないでしょうか?
【2】保険で安い費用で(先進国の1/10の費用)で歯の治療を受けられますが、使える材料や器具に制限があり、長持ちする治療が難しいこと。
とくに日本における根管治療(歯根から神経を取る治療)は、問題が多いとされています。
日本人の根管治療の成功率が低いことを確認するために、東京医科歯科大学の根管治療の専門家である須田先生(前教授)が、大学病院で3か月間外来の患者さんを調べたデータがあります。その結果を見ると、治療後に歯根に膿の袋ができる病気の発症率は、50~70%です。つまり歯の種類にもよりますが、概ね成功率は30~50%となります。
これに比べ厚生労働省が2012年7月に調査した、日本の歯科医師による1年間の治療本数(日本全国で歯科医師が根管治療をしている数)を見ると、「初めて神経を取る治療」よりも「再治療」のほうが多いことがわかります。またこれには抜歯は含まれていないため、成功率はかなり低いということになるでしょう。
【1】神経を取って、初めて治療する歯 | 600万本 |
---|---|
【2】再治療 | 750万本 |
また、アメリカの歯内療法(根管治療)専門医による統計的な根管治療の成功率を調べたデータもあります。
Bergenholtz, Orstavik 『Text book of Endodontology §14 Prognosis』
【1】神経を取って、初めて治療する歯 | 90%以上 |
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【2】神経が死んでいるが、根尖性(こんせんせい)歯周炎(※)がなく初めて治療する歯 | 90% |
【3】神経が死んでいるが、根尖性歯周炎がある歯 | 80~85% |
【4】再治療で、根尖性歯周炎がない場合 | 90% |
【5】再治療で、根尖性歯周炎がある場合 | 70% |
【6】再治療で、前医により根管の形態が破壊されていて根尖性歯周炎がある場合 | 40% |
※根尖性歯周炎とは……むし歯などを原因として、歯根の先の周辺組織まで炎症を起こしている状態。
【6】はかなり状態が悪いケースであるため除外すると、おおむね成功は70~90%。既出のデータでの日本における成功率は30~50%ですので、大きな差があります。統計の期間は違うので、まったく同じ土俵での比較はできませんが、実際の臨床で大きな差があることは日本の歯科医師の多くが感じているところだと思います。
またこのデータは、数年の特殊なトレーニングと臨床経験を積んでいるアメリカの根管治療専門医のものであり、日本における一般の歯科医師のデータとは単純に比較できません。
しかし近年、日本の歯科医師たちもこの状況を改善したいと努力を続けています。その結果、使う器具や術式などを海外におけるスタンダードなやり方に変え、ある程度専門的な勉強をすれば、成功率が大きく変わることもわかってきているのです。
日本における根管治療の実状
ラバーダムの使用
もし内臓の手術、たとえば盲腸の手術をするときに、バイキンがいっぱいついている不潔な状況で行えば、感染して治りがとても悪くなることは想像がつくのではないでしょうか。
お口の中には、肛門に劣らないくらいたくさんのバイキンが棲んでいます。歯の中の神経は血液を送る臓器なので、この治療も内臓と同じことがいえます。ラバーダム防湿を付け、バイキンが極力入って来ない清潔な環境で治療をすることが、根管治療の成功率を上げるのです。
お口の中の汚れをマイクロスコープで見ると、バイキンがいっぱいです。
ラバーダムと隔壁と周囲のシーリングによって感染リスクをできるだけ排除し、根管治療の成功率を高めます。
しかしながら、当院でも以前はそうでしたが、日本の歯科治療では根管治療でラバーダム防湿を装着することは、ほとんどされていないのが現状です。
その理由は既出の須田先生(※)の論文で明らかにされています。読んでいただければご理解いただけると思うのですが、簡単にいうと日本の歯科医師が決して手を抜いているわけでなく、保険治療での根管治療はあまりにも採算が合わないというのが実状です。
※東京医科歯科大学の根管治療の専門家
ステンレスファイルとニッケルチタンファイル
日本の根管治療でおもに使われるステンレスのファイルは硬すぎるため、根管の中からバイキンを除き、きれいにすることが難しいといえます。
そのため、「噛むと痛い」「何もしなくても気になる痛みがある」など不快症状が残りやすく、歯根の先に膿の袋ができるといった病気が起こる可能性も高くなるのです。
それに対しニッケルチタンファイルは、柔軟性があるため複雑な形状の根管にフィット。内部をきれいにすることができます。
マイクロスコープの利用
肉眼では見えない汚れは、専用のマイクロスコープで確認しながら除去することで、治療の成果を高めるられます。
しかし、根管に入った汚れを100%除去することは、誰もできません。歯根の病気が治るかどうかは体の抵抗力と、根管内に残ったバイキンの量によります。できるだけバイキンの量を減らすことが治癒につながるのです。
根管治療の精度向上のために
けやき通り歯科・矯正歯科では、米国歯内療法専門医である松浦顯(まつうらあきら)先生に研修を受け、
根管治療の診断及び治療精度を高める取り組みを続けています。
また治療の難易度が高い再根管治療(リトリーメント)や根管の複雑な大臼歯のイニシャルな根管治療については、
松浦先生をご紹介し補綴治療は当院で行う連携治療を行っています。
松浦顕先生による当院での研修風景
さらに根管内からの治療では治らない根尖病巣(こんせんびょうそう:歯根の先に膿ができる病気)がある、ファイルの破折があるなどのケースでの根尖(こんせん)切除という外科的処置等高度な治療が必要な場合も、松浦先生のオフィスに治療を依頼し、歯冠長延長術(フェルルを確保し歯を長持ちさせる処置)及び補綴(被せる)処置は当院で行うなどの連携診療を積極的に実施しています。
他院で抜歯と診断された歯、何度通っても痛みや症状が取れないなどのケースでも、残せる・治せるケースがありますので、ぜひご相談ください。
松浦先生の福岡のオフィスのパンフレット
松浦先生のホームページです。他院で抜歯と言われたけどなんとかしてほしい、他院での治療で痛みが取れず困ってるという多くの患者さんが救われた症例が掲載されています。お困りの方はどうぞご一読ください。 なお、当院は以下でかかりつけ医としてご紹介いただいてます。
症例紹介
奥歯の根の周囲に膿(うみ)の袋があり、押さえると膿が出てきます。
レントゲンを撮ると、神経を一部取り除いて(生活歯髄切断)、薬を入れた痕がなんとなくありますが……。
レジン(白いプラスチック)の詰め物部分に徐々にすき間ができて、中から薬が漏れ出し、中には食べカスや汚れがたくさん入っているようです。治療後の詰め物・被せ物の質も大事なことがわかります。
ラバーダム防湿をし、詰め物を外すと汚れがたくさん溜まっています。
ススのように汚れがいっぱいです。時間をかけてきれいにしていきます。
薬液を効果的に使いながら、超音波などの器具を併用しきれいにしていきます。
ファイル試適により、どこまで掃除ができるかを確認しながら進めていきます。
歯根に最終的な薬を入れた状態(MTAによる根管充填)です。すでに膿の袋が小さくなってきています。
膿の袋部分がきれいに治ってきている様子が確認できます。治癒傾向を確認後、被せ物を用いて補綴処置を行いました。
副作用について
治療中に痛みや腫れが出る場合があります。詳細については、治療を開始するにあたって同意書にて説明します。
自費(保険外)治療料金
家族で通える歯医者さん
熊本市南区田迎の歯医者「けやき通り歯科・矯正歯科」